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山陽小野田市歴史民俗資料館開館40周年及び令和4年3月に登録されたふるさと文化遺産「窯のまち」を記念して開催します。
山陽小野田市は、古墳時代から現在に至るまで「窯(窯業)」と深い関わりのある「まち」です。恵まれた豊富な資源などにより須恵器・セメント・硫酸瓶などの生産が盛んになりました。現在では、窯により発展した歴史を伝承しつつ、ガラス文化を発信し続けています。
こうした歴史を踏まえ、令和4年3月に、山陽小野田市ふるさと文化遺産「窯のまち」が登録されました。
この企画展では、「窯のまち」のふるさと文化遺産登録を記念して、「窯」という視点からみた山陽小野田市の歴史を紹介します。
令和4年(2022)11月26日(土曜日)~令和5年(2023)2月7日(火曜日)
休館日:月曜日、祝日、12月29日(木曜日)~1月3日(火曜日)、1月10日(火曜日)
開館時間:9時~16時30分
歴史民俗資料館2階展示室
無料
山陽小野田市最南端にある本山半島周辺では、古墳時代の須恵器窯跡がいくつも確認されている。中でも、松山窯跡の灰や焼き損じ品などの投棄場所である灰原からは、6世紀末から7世紀初頭の製品が大量に出土している。
松山窯出土須恵器
明治14年(1881)、須恵村に民間初のセメント会社ができ、山口県における近代産業都市の先駆けとなった。セメント焼成に使われた竪窯(通称徳利窯)には、地元で作られた12万5千個のレンガが使われた。
明治時代の小野田セメント
江戸時代に有帆川左岸にある旦で焼きものの窯が築かれた。明治24年(1891)に化学会社の工場ができると、硫酸瓶と呼ばれる耐酸容器を焼くようになり、焼酎瓶などの生産も合わせた製陶業は、昭和30年代まで続く一大地場産業となった。
左:小野田の皿山製品 右:ねじ切りと硫酸瓶
ガラスも窯業の一つである。
山陽小野田市は、旧小野田市出身のガラス作家、故竹内傳治と共に現代ガラス展をスタートさせた。現在は、ガラス造形作家の移住やガラスのブランド化など多岐にわたる現代ガラス文化の発信が進められている。
竹内傳治作「コンポジション#199語らい」
撮影:迫田雅彦 文化スポーツ推進課提供
企画展と関連して、市内の小・中学生が「まちの歴史」を調べ、まとめた成果物を展示します。
●小野田中学校1年生 令和4年(2022)11月26日(土曜日)~12月28日(水曜日)
●高千帆小学校4年生 令和5年(2023)1月4日(水曜日)~2月7日(火曜日)
企画展開催期間中に、関連イベントとして、記念講演会とギャラリートークを開催します。
「考古学からみた小野田の硫酸瓶」
考古学からみた小野田の硫酸瓶や登り窯の特徴について、他府県の資料も交えながら紹介します。
田畑 直彦 氏 (山口大学埋蔵文化財資料館助教)
令和4年12月3日(土曜日)13時30分~15時00分
山陽小野田市民館(栄町9番25号)1階文化ホール
180人(先着順)
無料
歴史民俗資料館へ電話(0836-83-5600)でお申し込みください。
11月25日(金曜日)から12月2日(金曜日)まで
企画展開催期間中、毎月第4土曜日11時より、企画展会場で学芸員による展示解説を行ないます。
時間は20分程度となります。