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がんを予防しよう
がんを防ぐための新12か条
がんを予防するためには、生活習慣が重要と言われています。がんを防ぐために心がけたい「12か条」をご紹介します。
- 1条 タバコは吸わない
- 2条 他人のたばこの煙を避ける
- 3条 お酒はほどほどに
- 4条 バランスのとれた食生活を
- 5条 塩辛い食品は控えめに
- 6条 野菜や果物は不足にならないように
- 7条 適度に運動
- 8条 適切な体重維持
- 9条 ウイルスや細菌の感染予防と治療
- 10条 定期的ながん検診を
- 11条 身体の異常に気が付いたら、すぐに受診を
- 12条 正しいがん情報でがんを知ることから
胃がんについて
胃がんは、胃の粘膜にできる悪性腫瘍です。胃の壁は内側から、大きく分けて粘膜層と筋層からできています。がんが粘膜にとどまっているものを「早期がん」、がんが筋層以上に深く進んだものを「進行胃がん」と呼んでいます。
胃がんの原因はいくつかあります。中でも、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染と喫煙や食生活など生活習慣などが胃がん発生のリスクを高めるといわれています。食生活については、塩分の多い食品の過剰摂取や、野菜、果物の摂取不足が指摘されています。
胃がんの予防方法
塩分を控え、胃に負担をかけないようにしましょう。
上手に塩分を控えるポイント
- 酸味、香、うまみを上手に活用することで薄味でも美味しく食べられます。酢やゆず、レモンなどの柑橘類、しそ、しょうが、ごま、昆布、かつおなどを使用し減塩しましょう。
- 麺類の汁には塩分が多く含まれています。できるだけ飲まないようにしましょう。
- 味つきのごはんには塩分が多く含まれているので食べる量を控えましょう。
肺がんについて
肺がんは、呼吸の際の空気の通り道である気管支、ガス交換の場である肺胞の細胞ががん化して起こる病気です。
肺がんの最大の原因は喫煙です。たばこを吸うと肺がんになる危険性は5~20倍になります。たばこを吸わない人でも、受動喫煙で肺がんのリスクは1月2日~2倍になります。
喫煙指数について
喫煙指数とは、肺がんになりやすいかどうかを、過去に吸ったたばこの本数から計算した指数です。数値400以上が肺がんのハイリスク群と言われています。
計算の方法 喫煙指数=1日の本数×喫煙年数
肺がんの予防法
- たばこを吸っている人は今すぐ禁煙しましょう。
- 他人のたばこの煙を避けましょう。
- 緑黄色野菜や果物をたくさん摂りましょう。(野菜350グラム、野菜と果物を合わせて400グラムが目安です。)
- 散歩やジョギングなど、適度な運動を心がけましょう。
- 排ガスなどの有害物質をできるだけ吸わないよう気を付けましょう。
大腸がんについて
大腸がんは大腸粘膜からできる悪性腫瘍です。線腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。S状結腸と直腸にできやすいといわれています。
大腸がんの発生は、生活習慣と関わりがあるとされていて、脂っぽいものを多く食べ、野菜をあまり食べない習慣や飲酒、喫煙が大腸がんの発生のリスクを高めます。また、便秘や大腸にポリープができたことがある人、家族に大腸がんにかかった人がいる方も注意が必要です。
大腸がんの予防について
- 和食中心の食生活をしましょう。脂肪の多い欧米化の食事を控え、豆類をはじめ食物繊維の多い和食中心の食事を心がけましょう。
- 便秘にならないように心がけましょう。1日20~25グラムを目標に食物繊維を多くとりましょう。また、適度な運動や朝食前に冷たい水等を飲むことも効果的です。便意を我慢することはやめましょう。
前立腺がんについて
前立腺がんは主に外腺(前立腺の外側部分)に発生します。前立腺がんの特徴として、高齢者男性に多く発症することや、ほかのがんに比べて比較的ゆっくり進行することがあげられます。前立腺がんの発生にはホルモンバランスの変化や食生活の欧米化に伴う脂肪分のとり過ぎなどが関与しているといわれています。
前立腺の症状を簡単にチェックしてみましょう
前立腺の症状のチェックはこちらをご覧ください [PDFファイル/168KB]
乳がんについて
乳がんは、乳房にある乳腺にできる悪性腫瘍です。乳がんは女性に一番多いがんで、40~50歳代をピークに発症や死亡が増加しています。
乳がんの発生には女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていることが知られています。また、初潮が早い、閉経が遅い、出産経験がない、初産年齢が遅い等の条件に当てはまる人は乳がんを発生するリスクが高いといわれています。また、閉経後の肥満や家族に乳がんになった人がいる方も注意が必要です。
乳がんの予防について
- 飲酒を控えましょう。
- 閉経後の肥満が乳がん発生のリスクになるため、適正体重を維持しましょう。
- 禁煙や適度な運動もこころがけましょう。
乳がんのセルフチェックについて
乳がんは唯一自分で見つけることのできるがんです。調べるのは、月経が終わって一週間以内が適当です。 閉経後の方は、毎月、日を決めてチェックしましょう。定期的にセルフチェックをすると自分の乳房の普通の状態がわかるので、異常を早く見つけられるようになりますよ。
乳がんセルフチェックの方法その1(視診)
- はじめに、両肩を下げたまま、左右の乳房や乳首の形を見ます。
- 次に両腕をあげ、正面、側面、斜めからよく観察しましょう。
乳首や乳房のどこかにくぼみやひきつれた所はないか確認してください。
乳首がへこんだり、湿疹のようなただれができていないか確認してください。
乳がんセルフチェックの方法その2(触診)
1~4はあおむけに寝てチェックします。
- 右乳房を調べるときは右肩の下にタオルや座布団を敷き、乳房が垂れず胸の上に平均に広がるようにします。
- 乳房の内側半分を調べるには、右腕を頭の後方にあげ、左手の指の腹で軽く圧迫して、まんべんなく触れてみます。
- 外側半分を調べるには、右腕を自然な位置に下げ、同じように左手の指の腹でまんべんなく触れてみます。
- 右の乳房のチェックが終わったら、左の乳房を同じ要領でチェックします。
- 左右の乳首を軽くつまみ、乳を絞り出すようにして、血のような異常な液が出ないかを調べます。
乳がんのセルフチェックのイラストはこちらをご覧ください。 [PDFファイル/417KB]
歌にあわせて、視診と触診
童謡「おひなさま」の歌にあわせてチェックできます。歌詞はこちら
子宮頸がんについて
子宮頸がんは、子宮の入り口から下1月3日あたりまでを子宮頸部といい、この部分にできる悪性腫瘍のことを言います。20代~30代の若い女性にも増えています。
子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(Hpv)というウイルスの持続的な感染が原因となって発生するがんです。ヒトパピローマウイルスは、多くの女性が1度は感染するごくありふれたウイルスですが、免疫の働きなどで自然に治る人がほとんどです。しかし、長期間感染が続く場合があり、ごく一部のケースで数年から数十年かけて、子宮頸がんを発生します。なお、ヒトパピローマウイルスの感染経路は性交渉と考えられています。
子宮頸がんの予防について
- ウイルスの感染を予防するため、局部は清潔に保ちましょう。
- 性行為はコンドームなどを使って感染を防ぎましょう。
- 禁煙やバランスの良い食生活をしましょう。
参考資料
Let's検診 がん検診ハンドブックについてこちらをご覧ください [PDFファイル/8.72MB]