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山陽小野田市はかつて、日本伝統文化のかるた競技(小倉百人一首かるた競技)が盛んであり、本市から二人のかるたクイーンを輩出するなど、「かるたのまち」として有名でした。
市内のかるた協会に個人で所属している競技者の他にも、市内の高等学校や山口東京理科大学に創設されたかるた部で競技かるたに打ち込む人も加わり、市内において「かるた」が再び盛んになりつつあります。
この背景には、市内のかるた協会や二人のクイーンが熱心に競技かるたの指導に携わるなど、かるたの普及・競技力向上に、地元指導者が大きく貢献しています。ここに市も加わり、本市の恵まれた環境を活かして、かるたのさらなる普及推進をおこなうことにより、市の知名度向上や郷土愛の醸成、交流人口の増加を図ります。
小倉百人一首を用いて札を取り合う競技のことです。100枚の札のうち、50枚を使用し、自分の陣地(自陣)と相手の陣地(敵陣)に25枚ずつ並べます。使用しない50枚は空札(からふだ)となり、読み上げられますが、取る札はどちらの陣地にもありません。空札が読まれたときに、札に触れると「お手つき」になります。
読み手が読み上げる上(かみ)の句を聞き、下(しも)の句が書かれた札を取り合い、自陣の札が早くなくなった方が勝ちとなります。敵陣の札を取った場合は、相手の札が1枚少なくなるので、自陣から相手に1枚渡す(送る)ことができます。相手がお手つきをした時も1枚送ることができます。このように、自陣の札を取るだけでなく、相手に札を1枚送ることで、自陣の枚数が1枚減り、勝利へ近づくことになります。
ルールには、競技の始まりと終わりに読み手と相手にきちんと礼をするなど、礼儀を重んじるルールもあります。
7月に開催を予定していましたが、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響により、中止しました。
山口ゆめ回廊博覧会プレ事業として、恋多き女流歌人 和泉式部の歌についての講演会や、恋の札を使ったかるた教室を実施しました。
平成30年度に全小中学校に配布した「きまり字五色二十人一首」(読み札・取り札セット)を、より少人数ごとに活用してもらおうと、同かるたの取り札を追加で配布しました。また、今回は、百人一首の由来や時代背景、歌人にまつわるエピソードなどをまとめた「エピソードでおぼえる百人一首おけいこ帖」を新たに贈呈しました。
競技かるたは、競技としてはもちろん、百人一首が詠まれた時代背景を学んだり、歌に込められた作者の気持ちに思いを馳せたりと、その楽しみ方は様々です。学習教材として、休み時間の遊びのひとつとして、多くの児童・生徒がかるたに親しむきっかけとなることを願っています。
贈呈式の様子(厚狭小学校)
児童代表の4年生2人がかるたと書籍を受け取り、「かるたの楽しさをみんなに教えて広めていきたい」「たくさんの句を覚えて友達と遊びたい」と今後の抱負を語りました。
競技かるたに若い世代にも親しんでもらおうと、市では、令和元年度から小学校に出向いてかるた教室を開催しており、今年度は9校で12回実施する予定です。
9月29日(火曜日)には、赤崎小学校6年生を対象に開催しました。
かるた永世クイーンの久保久美子さんと山陽小野田かるた協会会長の松永進さんを講師に迎えての教室の様子をご紹介します。
競技かるたを始める前に、上の句や下の句、決まり字、お手つきなどの競技ルール、試合前に相手や読手に向かって礼をする、読手が札を読み始めたら静かにする、などの競技マナーを教わりました。
上の句に応じた下の句を当てるクイズでは、自信をもって答える児童の姿が見られるなど、競技に必要な知識をしっかりマスターしていました。
百人一首のなかから4枚の札を暗記し、ミニ試合に挑戦しました。
読み手の声に耳を澄まし、記憶した札が読まれると、すぐに手が伸び札をはたく姿が見られました。
札を手にした児童からは歓声が上がり、惜しくも取り損ねた児童からは悔しそうな表情がこぼれるなど真剣な試合を繰り広げつつも、相手陣の札を取った児童は自陣の札を1枚相手に送るなど、教室の最初に学んだルールをおさらいしながら取り組みました。
さまざまな不思議なことが起こっていたという神代の昔でさえも、こんなことは聞いたことがない。
龍田川が(一面に紅葉が浮いて)真っ赤な紅色に、水をしぼり染めにしているとは。
川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた急流が2つに分かれる。
しかしまた1つになるように、愛しいあの人と今は分かれても、いつかはきっと再会しようと思っている。
せっかく久しぶりに逢えたのに、それが貴女だと分かるかどうかのわずかな間にあわただしく帰ってしまわれた。
まるで雲間にさっと隠れてしまう夜半の月のように。
由良川の河口の流れが速い瀬戸を漕ぎ渡る船頭が、櫂をなくして行く先も分からずに漂っていく。
そんなようにこれからどうなるのか行く末が分からない私の恋の道行きだ。
代表児童が、かるた永世クイーン 久保久美子さん、松永会長を相手にミニ試合に挑戦しました。
久保久美子さんは赤崎小学校の卒業生で、児童にとっては大先輩。後輩対大先輩の熱のこもった対戦となりましたが、久保永世クイーンの札を払う速さに惜しくも叶わず、児童にとっては苦戦試合となりました。
この悔しさをバネにお友達同士で競技かるたの特訓を重ね、赤崎小学校から2人目のクイーンが誕生して欲しいですね。
10月13日、小野田高校小倉百人一首かるた部と竜王中学校、赤崎小学校、本山小学校とのかるた交流会が、竜王中学校で開催されました。この取組みは、平成30年度から実施してきた小野田高校と竜王中学校との交流会に、小学校2校が新たに加わる形で実現した、山陽小野田市初めての取組みです。
まずは小野田高校小倉百人一首かるた部の生徒から、競技かるたや部活動の紹介をした後、畳の上で対戦する様子を披露しました。
この交流会に向けて休み時間などに日々練習を重ねてきた赤崎小・本山小の児童、日頃からかるた学習に取り組む竜王中の生徒のなかから選ばれた各校代表選手が、高校生と対戦しました。高校生の札を取る速さに苦戦しながらも、仲間の声援を力に変え、接戦を繰り広げる児童・生徒もみられました。
赤崎小・本山小の児童と竜王中生徒の3人でチームを組んで挑んだミニ試合では、見事高校生に勝利するチームも見られるなど、白熱した試合が繰り広げられました。
久保久美子永世クイーン、地域の方、各校の先生が見守るなか、児童・生徒・地域がかるたを通じて親交を深めた交流会となりました。小中学生からは、「かるたのことはあまり知らなかったけれど、今日の交流会でその楽しさを教えてもらった」「勉強もスポーツもかるたも頑張りたい」「来年竜王中学校に進学し、赤崎小、竜王中の皆さんと同じ学校に通えると思うと、来年の中学入学がますます楽しみになった」と、交流会を終えての感想を語りました。
今回の交流会で得たものを忘れずに、今後もかるたを通じた多世代交流の輪を広げ、かるたのまち山陽小野田を盛り上げて欲しいですね。
新型コロナウィスル感染症の影響により、中止しました。
昭和47年から昭和59年までの13年間のうち、昭和51年だけを除く通算12年を山陽小野田市出身の沖美智子さんと堀沢久美子さんの二人がクイーン位を獲得、保持していました。
昭和51年に沖さんがクイーン位を奪われましたが、翌年の昭和52年には市内中学校の後輩となる堀沢さんが再びクイーン位を奪取しています。
昭和47年から昭和50年まで4期連続クイーンとなる。
昭和44年及び昭和51年は準クイーン。
昭和52年から昭和59年まで8期連続クイーンとなる。
5期連続クイーンとなった昭和56年に、初代永世クイーンとなる。
毎年1月上旬に小倉百人一首の第一番歌を詠んだ天智天皇を祀る滋賀県大津市の近江神宮の近江勧学館において競技かるたの日本一を決める「名人位・クイーン位決定戦」が開催されます。
前年に名人位とクイーン位の称号を獲得した者と、予選を勝ち上がった挑戦者が対戦します。決定戦の勝者が、その年の名人位とクイーン位となります。
※名人位は男性の称号、クイーン位は女性の称号
クイーン位を通算5期務めた者に与えられる称号。
永世クイーンの称号を持つ者は3名しかおらず、そのうちの一人が本市出身の久保久美子さんです。
名人位を連続5期あるいは通算7期務めた者に与えられる称号。永世名人の称号を持つ者は4名しかいません。
詳細は別ページをご覧ください。